大きな 栗の木の 下で
あなたと 私 仲良く 遊びましょう
大きな 栗の木の 下で
それは、小さな小さな村の話。
それは、小さな小さな子供の話。
+
+
+
+
+
「村の外れの栗の木には
決して近寄ってはいけないよ」
婆さま達が昔から言い聞かせるこの言葉。
まだ幼い女の子が
婆さまの膝に頭を乗せつつ聞き返す。
「な〜ぜ?婆さま?」
聞かれて婆さまはこう答える。
「あの木に住んでる妖精が小さい子供を連れていくからさ」
「なぜ連れていっちゃうの?」
「それはね。その妖精が一人ぼっちで寂しいからさ」
婆さまの話を聞きながら、
女の子はふと考える。
――寂しいなら、私がお友達になってあげてもいいわね――
女の子の考えをよそに、婆さまの話はまだ続く。
「昔ね。この村に女の子がいたんだよ。
そう、妖精に連れて行かれた女の子さ……」
そうして物語は始まる――
next